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高森明勅
2021.1.17 06:00皇統問題

皇位の安定継承、4つのシナリオ

長年、放置され続けて来た皇位の安定継承への取り組み。
今年こそ解決を図らなければならない。
その場合、どのようなシナリオを想定できるか。
シンプルに整理すれば、以下の4通りのケースが考えられよう。

①皇位の安定継承に向けて、女性・女系皇族の即位を可能にし、
それが実際に機能できるようにする為に、女性宮家を創設する。

②皇位の安定継承への取り組みを先延ばしして、
皇族数を目先だけ確保する為に“一代限り”の女性宮家を認める。
万一のケースに備えて、男系女性皇族の即位も可能にする。

③皇族数の確保も諦(あきら)めて、ただ皇室のご公務を分担する
特別職の国家公務員(批判された「皇女」の看板だけは取り換える)を設けて、
未婚の女性皇族がご結婚の後、国民の仲間入りをされた時点で就いて戴く。

④「まだ40年ある」(安倍前首相)ので(?)、いずれ「神風が吹く」(同)
のを信じて(?)、ひたすら先延ばしを続ける。

改めて言うまでもなく、①~④のうち、
実際に皇位の安定継承に寄与するのは、①だけ。
この他、いわゆる旧宮家案は、(これまでの政府のやり方を見る限り)
有識者会議の「論点整理」などに“リップサービス”として書き込まれる
ことはあっても、現実的な選択肢として取り上げられるとは考えにくい。

果たして…。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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